スナフキン会計士

今までの人生経験を徒然なるままに書き記します

受験仲間 ドラゴンボールおっさん その⑧

新宿歌舞伎町の雑踏、色んな音で溢れてるこの街!しかし、ドラゴンボールおっさんの耳には自分の心臓の鼓動が聞こえるのみだった。ドックン、ドックンと(どんだけ緊張してるんだよ)!


その様子を見かねた友人は、ソフトの方、すなわち、セクキャバに目的地をさりげなく変更した。お店につき一通りの説明を受けて席に腰かけるとすぐに嬢が姿を現した。緊張MAXのドラゴンボールおっさん。どうして良いか分からないおっさんは、聞かれてもいないのに、自分の生い立ち、お店に来た経緯、自分の現状、その全てを洗いざらい話した。すると嬢はドラゴンボールおっさんの顔を自分の双子山(要するにおっぱいのことな)に押し付けて静かに言った。『職業に貴賤の差はない』、そして、今度は彼女が自身の身の上話を語り出した。女性が夜の仕事を始める典型的な理由が語られただけだったのだが、ドラゴンボールおっさんにとっては驚愕の事実だった。そして、自分よりも年下で、かつ、遥かに恵まれない環境に身を置きながらも、それでも前を向いて体を張って生きている!!おっさんはその姿に女の強さを見た。そして、彼女との対比で自分の弱さを自分自身に見た。良い歳ぶっこいて実家に居候を決め込み、好きで始めた会計士受験であるにも関わらず、合格しない事を環境のせえにし、周りに当たり散らし、バイトで作った100,000で良い気になり今ここにいる。不甲斐無い自分、情けなく卑怯で卑屈な自分、前を見るべき時に横(周りからの目)を気にしてやるべき事に集中していなかった自分。自分の過去に耐えきれず、感情が爆発し、涙腺が崩壊したおっさんは、嬢の胸の中で嗚咽を漏らしながら泣いた。嬢の胸はおっさんの涙と鼻水でぐちゃぐちゃになるも、嬢はおっさんの頭を優しく抱きしめるのみだった


続く

受験仲間 ドラゴンボールおっさん その⑦

夜の店行こうぜ!!旧友の悪魔の誘い。友人の稼ぎに驚愕するも自分も自分の稼ぎで生きている事を友人に『認めて欲しかった』、いや、『認めさせたかった』ドラゴンボールおっさん!見栄を張って言ってしまった。


『オレも何度も行ってるぜ(現代の桃源郷、憧れたことはあるものの行ったことなんてもちろん無い)、再会を祝してパッート行こうぜ』


友人相手につかないでいい嘘をつき、財布の中の虎の子の100,000がいくらに減ってしまうか不安に駆られるも、引くに引けず現代の桃源郷に突入せざるをえなくなってしまったドラゴンボールおっさん。ドキドキとワクワク、後悔と懺悔、期待と不安、世界中に存在するありとあらゆる感情をミックスさせた混沌とした感情を胸に宿し、夜の繁華街に繰り出すのであった。


続く

受験仲間 ドラゴンボールおっさんその⑥

日給8,000円で12日間、倉庫の中でガラス細工に『fragile』の紙を入れ続け、残業までして目標の100,000を稼いだドラゴンボールおっさん!!初めて稼いだ大金!!自己満足に浸るおっさんに大学自体の友人から連絡が入った。久しぶりに飲みに行こうぜと。


合格するまで旧友には絶対会わないと謎の縛りを自分に課していたおっさん(ハタから見たら謎な決断だが、会計受験生あるあるの一つである)、会計事務所を2社はしごし、勉強の合間のクソみたいなバイトで100,000稼いだ。俺もそれなりの経験をしてきた。自信を深めていたおっさんは旧友に会ってみることにした。


が、この決断が新たな地獄の入り口だった!当初、自分の悲劇エピーソードをネタに笑いをとり、苦労に苦労を重ねて手に入れた100,000で自分の経済力を誇る予定だった。しかし、普通にリーマン稼業に勤しみ、入社から4、5年が経過し、大人の階段を順調に登っていた旧友達。経済力で勝てるわけがない!自分の存在の証明を賭けて手にした100,000、今の自分のプライドの唯一の根源の100,000。この虎の子の100,000すら友人の稼ぎに比較したら空虚に見える。自己嫌悪と自分史否定の衝動に駆られるおっさん。


そんなおっさんを友人からの悪魔の一言が襲う。夜の店行こうぜ!!


続く